鉄製架台の製作工程とは?切断・穴加工・組立・溶接・塗装まで解説

鉄製架台は、機械や設備、空調機器などを設置・支持するために使用されます。
一見すると鋼材を溶接して組み立てただけのように見える架台でも、実際の製作では、材料の確認から切断、穴加工、組立、溶接、仕上げ、必要に応じた塗装まで、複数の工程があります。
この記事では、大阪市生野区で溶接・製缶加工を行う有限会社アラヤが、鉄製架台を製作するときの一般的な流れと、各工程で確認しているポイントを解説します。
鉄製架台はどのように製作する?
架台の形状や使用する材料によって工程は異なりますが、鉄製架台では一般的に次のような流れで製作します。
- 図面・仕様・寸法の確認
- 材料の準備・切断
- 穴加工
- 仮組み・位置合わせ
- 溶接
- 仕上げ・確認
- 必要に応じて塗装・メッキ
すべての架台がこの順番になるわけではなく、形状や取付方法、後工程などに応じて加工順序を調整します。
STEP1|図面・仕様・寸法を確認する
架台製作では、加工を始める前の確認が重要です。
図面や据付図、寸法入りスケッチなどをもとに、外形寸法、使用材料、穴位置、数量、用途などを確認します。
特に機械や設備を載せる架台では、取付位置や設置条件が完成後の使いやすさに関わるため、機器メーカーの据付図や取付寸法が分かる資料があると確認しやすくなります。
確認する主な内容
- 幅・奥行・高さ
- 使用する材質
- 鋼材の種類・寸法
- 板厚
- 穴径・穴位置
- 載せる機械や設備
- 数量
- 塗装・メッキなどの後工程
正式なCAD図面がない場合でも、必要寸法が分かるスケッチや据付図、写真などから確認できる場合があります。
STEP2|材料を準備して必要な長さに切断する
仕様を確認したら、架台に使用する材料を必要な寸法へ切断します。
鉄製架台では、アングル、C形鋼、角パイプ、フラットバー、鋼板などが使用されます。
どの材料を使用するかは図面や仕様によって異なります。切断寸法を確認し、後の組立や溶接を考慮しながら材料を準備します。
架台で使用される主な鋼材
- アングル:L字形の鋼材
- C形鋼:断面がC形になった鋼材
- 角パイプ:角形の中空鋼材
- フラットバー:平らな帯状の鋼材
- 鋼板:ベースプレートや補強部材などに使用
架台の用途や形状によって、これらの材料を組み合わせて製作します。
STEP3|ボルトや機器取付用の穴を加工する
架台には、床へ固定するアンカーボルト用の穴や、機械・設備を取り付けるための穴が必要になることがあります。
穴径や穴位置を図面・据付図などで確認し、ボール盤やアトラ(磁気ボール盤)などを使用して穴加工を行います。
部材の状態で加工する場合もあれば、製品の形状や穴位置によっては、組立後に穴加工を行うこともあります。
アトラを使用する場合
アトラは、製缶品や組立後の部材など、ボール盤へ載せにくい製品の穴加工に使用できる設備です。
有限会社アラヤでも、製品形状や加工位置に応じてボール盤とアトラを使い分けています。
STEP4|定盤上で仮組み・位置合わせを行う
切断や穴加工を終えた部材を組み合わせ、架台の形状にしていきます。
この段階では、いきなりすべてを本溶接するのではなく、寸法や位置を確認しながら部材を仮付けします。
架台は複数の部材を組み合わせるため、部材同士の位置関係や全体寸法を確認しながら組み立てることが重要です。
有限会社アラヤでは、工場内の定盤を使用して架台やフレームなどの組立・溶接を行っています。
STEP5|CO₂半自動溶接で部材を接合する
鉄製架台では、CO₂半自動溶接を使用して部材を接合することがあります。
半自動溶接は、ワイヤを自動で送りながら溶接する方法で、鉄製の架台やフレームなどの製作にも使用されています。
ただし、溶接方法は材質・板厚・形状・溶接箇所などによって変わります。
仮付けした部材の寸法や位置を確認してから、本溶接を進めます。
架台溶接では歪みにも注意する
溶接では、加熱された部分が冷えるときに収縮するため、製品に歪みが発生することがあります。
架台の場合、溶接箇所や部材の形状によっては、全体寸法や取付面などに影響する可能性があります。
そのため、製品形状を確認しながら仮付けや溶接順序を考え、必要に応じて途中で寸法を確認しながら作業を進めます。
特に取付穴や機械の設置面など、完成後の取付に関係する部分については、図面や仕様に基づいて確認することが重要です。
STEP6|溶接後の仕上げと寸法を確認する
溶接が完了したら、必要に応じてスパッタ除去やグラインダーによる仕上げなどを行います。
その後、製品寸法や穴位置、外観など、案件ごとに必要な項目を確認します。
どの程度の仕上げや検査が必要になるかは、架台の用途や図面、要求仕様によって異なります。
STEP7|必要に応じて塗装・メッキを行う
鉄製架台では、使用環境や仕様に応じて塗装やメッキなどの表面処理を行う場合があります。
有限会社アラヤでは、表面処理が必要な案件について、処理内容を確認し、必要に応じて協力会社と連携しています。
塗装色や仕上がり条件が指定されている場合は、見積り時に伝えておくと工程を確認しやすくなります。
実際の鉄製架台ではどんな工程で製作した?
有限会社アラヤでは、小学校体育館に設置する業務用エアコン室内機用の架台を8台製作した事例があります。
この架台では、SS400のC形鋼を使用し、材料切断、組立、CO₂半自動溶接、穴加工を行いました。
- 用途:体育館用エアコン室内機の架台
- 材質:SS400
- 主部材:C形鋼 125×65×6mm
- 数量:8台
- 加工:材料切断・組立・CO₂半自動溶接・穴加工
- 後工程:協力会社による塗装
エアコンメーカーの据付図と設備施工会社から支給された寸法入りスケッチを確認し、取付寸法や穴位置などを確認しながら製作しました。
鉄製架台は1台からでも製作できる?
架台製作は、大量生産だけではありません。
試作としてまず1台製作し、実際に機械や設備を設置して確認したうえで、同じ仕様を追加製作する方法もあります。
有限会社アラヤでは、試作・単品から数台程度の小ロット、同仕様品の追加・リピート製作までご相談いただけます。
初回製作後に仕様が確定している場合は、前回からの変更点や数量などを確認して追加製作を進めます。
架台製作を依頼するときは製作会社の設備も確認する
架台製作では、溶接機だけでなく、材料切断、穴加工、組立を行うための設備も関係します。
例えば、架台・フレームを製作する場合は、次のような設備が使用されます。
- CO₂半自動溶接機
- TIG溶接機
- 定盤
- ボール盤
- アトラ(磁気ボール盤)
- メタルソー
- ガス溶断設備
- プラズマ加工機
また、製作会社によって対応できる製品サイズや重量も異なるため、大型架台を依頼する場合は事前確認が必要です。
アラヤでは大型製品・重量物には対応しておらず、工場内で3人程度で安全に搬入・取り回しができるサイズ・重量の架台を中心に対応しています。
大阪で鉄製架台の製作をご検討の方へ
有限会社アラヤでは、大阪市生野区で鉄・ステンレスなどを使用した架台・フレームを製作しています。
図面、据付図、寸法入りスケッチなどを確認し、材料切断、穴加工、組立、溶接など、製品に必要な加工を確認して製作します。
試作・単品から小ロット・リピート製作まで、架台製作についてご相談いただけます。
架台製作の対応内容を見る
対応できる材質・加工方法・サイズ・製作事例などは、架台製作専用ページで詳しくご紹介しています。
まとめ
鉄製架台の製作では、図面や仕様を確認したうえで、材料切断、穴加工、仮組み、溶接、仕上げ、必要に応じた表面処理などの工程を進めます。
形状や使用する材料、取付方法によって工程は異なりますが、完成後の設置まで考えて寸法や穴位置などを確認しながら製作することが重要です。
架台を依頼する際は、図面だけでなく、据付図や使用する設備の情報、数量、表面処理の有無などもあわせて製作会社へ伝えると確認しやすくなります。
