業務用エアコン架台を製作|体育館の室内機用C形鋼架台

体育館のエアコン室内機用架台を製作|C形鋼で製作した事例
今回は、小学校の体育館へ設置する業務用エアコンの室内機用架台を製作した事例をご紹介します。
設備業者様からご依頼いただき、エアコンメーカーの据付図と寸法の入ったスケッチをもとに製作しました。
架台の大きさは約W1800×D1000mm。数量は8台です。
材料にはSS400のC形鋼を使用し、四角い外周フレームの中央に1本の部材を入れた構造としています。
また、室内機や設置箇所に合わせた取付穴が複数あるため、フレームを溶接した後に寸法を再確認して穴加工を行いました。
製缶・穴加工後は協力会社で黄色に塗装し、完成した架台を設備業者様へ納品しています。
今回製作したエアコン架台の仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品 | 業務用エアコン室内機用架台 |
| 設置場所 | 小学校体育館・屋内 |
| 数量 | 8台 |
| 架台寸法 | 約W1800×D1000mm |
| 材質 | SS400 |
| 主材料 | C形鋼 125×65×6mm |
| 構造 | 四角い外周フレーム+中央に1本 |
| 材料手配 | 当社 |
| 材料切断 | 指定寸法に切断した状態で手配 |
| 製作資料 | メーカー据付図・設備業者様のスケッチ |
| 溶接方法 | CO₂半自動溶接 |
| 溶接機 | Panasonic YD-350GR3 |
| ワイヤ | SE-50T φ0.9mm |
| シールドガス | CO₂ |
| 溶接 | 全周溶接 |
| 穴加工 | フレーム溶接後に施工 |
| 塗装 | 協力会社にて黄色塗装 |
| 現場設置 | 設備業者様 |
| 当社対応範囲 | 材料手配・製缶・穴加工・塗装手配・納品 |
| 構造計算・耐荷重計算 | 今回事例では実施なし |
エアコンメーカーの据付図とスケッチから製作
今回の架台は、当社でゼロから設計した製品ではありません。
設備業者様から、
- エアコンメーカーの据付図
- 必要寸法が分かるスケッチ
- 取付穴の位置や寸法
などの情報をいただき、その内容をもとに製作しました。
設備用架台では、実際に取り付ける機器との位置関係が重要です。
そのため、まず支給された資料から全体寸法や取付位置を確認し、製作内容を整理してから材料を手配しました。
当社では設備そのものの設計を専門としているわけではありませんが、メーカー据付図や製作図、寸法入りのスケッチなどがあれば、それをもとに架台を製作できる場合があります。
SS400のC形鋼125×65×6mmを使用
今回の架台には、SS400のC形鋼125×65×6mmを使用しました。
材料サイズについては完全な支給指定ではなく、使用条件を確認したうえで当社からC形鋼のサイズを提案し、設備業者様と確認して採用しています。
材料は必要な長さに切断した状態で手配しました。
その後、工場で各部材を並べ、図面・スケッチの寸法と照らし合わせながら組み立てていきます。
なお、今回事例では当社による構造計算や耐荷重計算は行っていません。
そのため、本記事でも「○kgまで載せられる」「必要強度を計算して設計した」といった性能表示はしていません。
四角いフレームの中央に1本入れた構造
架台の形状は、C形鋼で四角い外周フレームを作り、その中央に1本の部材を入れた構造です。
まず部材を配置し、全体寸法を確認して仮付けします。
その際には、
- 全体寸法
- 直角
- 対角寸法
- 部材位置
- 水平
- 歪み
などを確認します。
特に今回の架台は約W1800×D1000mmと比較的大きいため、溶接によってフレーム全体が変形しないよう注意しながら組み立てました。
CO₂半自動溶接でフレームを製缶
位置と寸法を確認した後、CO₂半自動溶接で本溶接を行います。
使用した設備と溶接材料は以下です。
- 溶接機:Panasonic YD-350GR3
- ワイヤ:SE-50T φ0.9mm
- シールドガス:CO₂
今回のフレームは、接合部分を全周溶接しています。
また、本溶接を進める途中でも寸法や歪みを確認し、一方向へ大きく変形しないよう溶接順序を考えながら施工しました。
フレームや架台のような製品では、溶接前に寸法が合っていても、溶接熱による収縮で完成時の形状が変わることがあります。
そのため、仮付け時だけではなく、本溶接中や溶接後にも寸法を確認することが重要です。
溶接による変形については、「溶接歪みが発生する原因とは?種類・対策・歪みを抑える方法」でも詳しく紹介しています。
取付穴はフレームを溶接してから加工
今回の架台では、フレームの溶接を完了させてから取付穴を加工しました。
これは、取付穴の位置精度をできるだけ確保するためです。
溶接では加熱と冷却によって部材が収縮し、わずかな歪みが発生する場合があります。
そこで今回は、先に穴をすべて加工してからフレームを溶接するのではなく、
フレームを製缶する
↓
溶接後の寸法を確認する
↓
据付図から穴位置を出す
↓
ケガキ・ポンチ
↓
穴加工
という順序で製作しました。
穴径・位置が異なる取付穴を据付図に合わせて加工
今回の架台には、室内機側と架台を設置する側の双方に取付穴があります。
ただし、すべてが同じ径・同じピッチで並んでいるわけではありません。
取付箇所によって穴径や位置が異なる仕様になっているため、メーカー据付図を確認しながら一か所ずつ位置を出しました。
また、上下を一直線に貫通させる共通穴ではなく、それぞれ指定された取付位置に合わせて加工しています。
穴位置を出す際は、寸法を確認してケガキを行い、ポンチを打ってから穴加工へ進みました。
設備用架台では、架台そのものが完成しても、現場で取付穴が合わなければ設置作業を進められません。
そのため、今回も穴径だけでなく、基準位置からの寸法や穴同士の位置関係を確認しながら加工しています。



塗装前に溶接部を仕上げ
製缶と穴加工が完了した後は、塗装へ出す前の仕上げを行います。
溶接部を確認し、必要な部分のビードを整え、スパッタや付着物などを除去しました。
その後、
- 全体寸法
- 直角
- 対角
- 歪み
- 穴径
- 穴位置
- 溶接部の外観
などを再度確認します。
問題がないことを確認してから、協力会社へ塗装を依頼しました。
協力会社で黄色に塗装
今回の架台は、黄色に塗装して仕上げています。
塗装については当社工場内ではなく、協力会社へ依頼しました。
詳細については当時の記録を確認できていないため、本記事では「黄色塗装」としています。
塗装完了後は外観も確認し、8台を設備業者様へ納品しました。
現場設置は設備業者様が担当
当社が担当したのは、架台の製作から納品までです。
実際の体育館での据付やエアコン室内機の取り付けについては、設備業者様が行っています。
そのため、当社では実際の室内機を架台へ載せた状態での荷重試験や耐荷重試験は実施していません。
一方、納品後には設備業者様から問題なく現場へ設置できたとの連絡をいただきました。
メーカー据付図をもとに穴位置を確認しながら製作したため、現場で予定どおり設置できたことまで確認できた案件です。
設備用架台を図面・据付図から製作できます
有限会社アラヤでは、今回のようなエアコン架台をはじめ、鉄製の設備用架台やフレームの製作をご相談いただけます。
例えば、
- エアコン架台
- 室内機・室外機用架台
- ポンプ架台
- 制御盤架台
- 機械架台
- 設備フレーム
- C形鋼を使用した架台
- アンカーやボルト取付穴のある架台
- 1台だけの製作
- 複数台の小ロット製作
などです。
今回とは別に、屋外で使用する設備用架台の製作をご依頼いただいた実績もあります。
設置環境や設備によって必要な仕様は異なるため、図面やメーカー資料を確認したうえで製作内容を検討します。
設備業者様からの架台製作依頼もご相談ください
「メーカーの据付図はあるので架台だけ作ってほしい」
「現場寸法は決まっているので鉄製フレームを製作してほしい」
「取付穴まで加工した状態で納品してほしい」
「1台ではなく数台まとめて製作してほしい」
といったご依頼も対応可能です。
お問い合わせの際は、
- 製作図面
- メーカー据付図
- 寸法入りスケッチ
- 架台のW×D×H
- 使用する設備
- 材質や材料サイズ
- 取付穴の寸法・位置
- 数量
- 設置環境
- 塗装仕様
- 希望納期
などを分かる範囲でお知らせください。
当社では、設備そのものの構造設計や専門的な強度計算をゼロから行うことを前提としていません。
一方で、設備業者様から図面・メーカー据付図・寸法入りスケッチなどをご提示いただければ、その仕様をもとに材料手配から製缶、穴加工、塗装手配まで対応できる場合があります。
今回の約W1800×D1000mm程度の架台についても、重量や形状、工場内での取り回しを確認したうえで製作可能です。
「この据付図の架台を製作できますか?」という段階からご相談ください。

