砲金部品の穴をろう付けで補修|φ8mm程度の欠陥修理事例

ロウ付けで穴を埋めた後の写真

砲金部品の穴をろう付けで補修|φ8mm程度の欠陥を修理

今回は、砲金部品にあった穴をろう付けで補修した事例をご紹介します。

お客様から持ち込まれた砲金部品には、直径約8mmほどの穴が開いていました。

穴ができた詳しい原因は確認できていませんが、摩耗によって使用中に開いたというより、部品自体に生じていた欠陥ではないかと考えられる状態でした。

今回は部品そのものを作り直すのではなく、ろう付けによって穴を埋める補修を行いました。

砲金は銅を主成分とする銅合金の一種です。

銅合金はろう付けによる接合・補修が行われる材料ですが、母材の詳細な成分、形状、肉厚、補修箇所などによって施工方法は変わります。

今回も、実際の部品の状態を確認しながら作業を進めました。


今回の砲金部品のろう付け補修内容

項目内容
製品砲金部品
詳細用途不明
材質砲金(詳細材質番号は未確認)
不具合約φ8mmの穴
原因詳細不明・部品欠陥と思われる状態
補修方法ろう付け
ろう材当時の詳細銘柄は記録未確認
フラックスハンディーフラックス低温用
前処理パーツクリーナーによる清掃
加熱方法ガス加熱
主な確認穴が埋まっていること・ろうの状態
漏れ試験今回事例では実施していません

砲金とは?

砲金は、銅を主成分とする銅合金の一種です。

一般に青銅系の銅合金として扱われ、機械部品やバルブ、軸受など幅広い用途で使われています。

ただし「砲金」と呼ばれる材料にも複数の種類があるため、砲金という名称だけで詳細な成分や施工条件まで決めることはできません。

今回持ち込まれた部品についても、お客様から砲金と伺っていますが、詳細な材料番号までは確認できていません。


φ8mm程度の穴をろう付けで補修

今回の部品には、直径約8mm程度の穴がありました。

砲金の材料補修前、穴が開いている写真

こうした補修では、

「穴があるから、その上からろう材を載せればいい」

というわけではありません。

ろう付けでは、溶けたろう材が母材へ適切にぬれる状態を作る必要があります。

そのため、まずは補修箇所の状態を確認してから作業に入ります。


ろう付け前にパーツクリーナーで清掃

今回の補修では、最初にパーツクリーナーを使用して補修箇所周辺を清掃しました。

油分や汚れが残っていると、ろう材のぬれを妨げる原因になります。

フラックスを使えばすべての汚れが取れるわけではありません。

日本溶接協会も、フラックスは酸化物の除去や再酸化防止には働く一方、油脂類や汚れは事前に除去する必要があると説明しています。

そのため、補修溶接・ろう付けでは実際に加熱する前の前処理も重要な工程です。


フラックスを使用してろう付け

清掃後は、補修箇所へフラックスを使用します。

今回使用したのは、

ハンディーフラックス低温用

です。

フラックスには、

  • 母材表面の酸化物を除去する
  • 加熱中の再酸化を抑える
  • ろう材が母材へぬれやすい状態を作る

といった役割があります。銅・銅合金のろう付けでも、使用するろう材や母材によってフラックスが必要になります。


ガスで加熱しながら穴を埋めていく

フラックスを使用したら、補修箇所をガスで加熱します。

砲金をロウ付けする前に不純物を取り除くために炙っている写真

ろう付けでは、母材そのものを大きく溶かすのではなく、母材より低い融点のろう材を溶かして接合・補修します。

銀ろうを含むろう材には複数種類があり、それぞれ溶融温度が異なります。日本溶接協会の技術資料でも、銀ろうは組成によって融点・ろう付け温度が異なることが示されています。

そのため、

「砲金は○℃まで加熱すればいい」

という一律の温度では施工できません。

今回も温度計で一定の数値を管理した施工ではなく、母材やフラックス、ろう材の状態を見ながら加熱しています。


穴を埋める場合も熱の入れすぎには注意

今回のような穴埋め補修では、

ろう材を十分に流したい

一方で、

必要以上に母材へ熱を加えたくない

というバランスがあります。

加熱が不足すればろう材が母材へ十分になじまず、反対に加熱しすぎれば母材や周囲へ余計な熱影響を与える可能性があります。

単純に炎を当て続けるのではなく、補修箇所の状態を見ながら加熱位置や時間を調整します。

ここは、ろう付け作業の中でも経験が必要になる部分です。


ろう材が穴へ回った状態を確認

加熱しながらろう材を補修箇所へ流し、穴を埋めていきます。

施工後は、

  • 穴が埋まっているか
  • ろう材が補修箇所へ回っているか
  • 外観上問題がないか

を確認します。

ロウ付けで穴を埋めた後の写真

今回については、水圧試験や漏れ試験などは実施していません。


部品を作り直す前に、補修できる場合もあります

金属部品に穴や欠損が見つかった場合、

「新品を作るしかない」

と思われることがあります。

しかし、材質や損傷状態、使用用途などによっては、今回のようにろう付けや溶接による補修を検討できる場合があります。

ただし、すべての穴・欠損を補修できるわけではありません。

特に、

  • 重要保安部品
  • 高圧がかかる製品
  • 大きな強度が必要な部分
  • 損傷範囲が大きい製品
  • 母材そのものが著しく劣化している製品

などでは、補修より再製作・交換が適切な場合もあります。

当社では現物や用途などを確認したうえで、対応できるかを検討します。


砲金・真鍮・銅などのろう付けをご相談ください

有限会社アラヤでは、今回のような砲金部品の補修だけでなく、各種ろう付け加工についてご相談いただけます。

例えば、

  • 砲金部品に穴が開いている
  • 真鍮部品をろう付けしたい
  • 銅合金の部品を補修したい
  • 異なる材質同士を接合したい
  • 支給部品のろう付け工程だけお願いしたい
  • 1個だけ修理できるか見てほしい

といったご相談です。

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「これ、ろう付けで直せる?」からご相談ください

補修案件では、

材質の詳細が分からない

何に使われている部品か分からない

図面がない

という場合もあります。

分かる情報が少ないからといって、相談できないわけではありません。

お問い合わせの際は、可能であれば、

  • 製品全体の写真
  • 穴・欠損部分のアップ写真
  • 分かれば材質
  • 穴や損傷部分のおおよその大きさ
  • 製品全体の寸法
  • 使用用途
  • 数量

などをお送りください。

材質や用途、損傷状態によっては補修できない場合もありますが、

「これ、ろう付けで直せますか?」という段階から一度ご相談ください。

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