超硬リングのろう付け加工事例|銀ろうを使った100個ロットの製作

超硬リングのろう付け加工事例|銀ろうを使った100個ロットの製作
今回は、超硬リングを金属部品へろう付けした加工事例をご紹介します。
建設機械関連に使用される部品で、噴射口として使われると聞いています。
使用する超硬リングはφ6×φ3×5L。ピンセットで一つずつセットするほど小さな部品で、1回の製作数量は約100個です。
当社では客先から支給された母材と超硬リングを使用し、銀ろうとフラックスを用いてろう付けを行っています。
小さな部品だから簡単というわけではなく、特に重要になるのが加熱の見極めと、ろうが接合部へきちんと回っているかの確認です。
今回のろう付け仕様です
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途 | 建設機械関連の噴射口部品 ※詳細用途は未確認 |
| 母材 | 客先支給品 |
| 接合材 | 超硬リング |
| 超硬リング表記 | G1 φ6×φ3×5L |
| 製品サイズ | 人差し指の先程度の小型部品 |
| 数量 | 約100個/ロット |
| ろう材 | 銀ろう |
| フラックス | ハンディーフラックス 低温用 |
| 加熱方法 | 酸素・アセチレン |
| 前処理 | 支給された部品を脱脂後に施工 |
| 表面加工 | 当社では特別な表面加工なし |
| 主な確認 | 接合状態・銀ろうの回り具合 |
ロウ付けって何?
ろう付けは、母材そのものを溶融させるのではなく、母材より低い融点を持つろう材を溶かして接合する方法です。
基本的な仕組みや溶接との違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
今回弊社がした製品はこちらです⇩


ろう付け前に部品を脱脂
超硬リングをセットする前に、支給された母材の油分や汚れを取り除きます。
ろう付けでは接合面の状態が重要です。日本溶接協会でも、フラックスは酸化物の除去などには働く一方、油脂類や汚れまで除去するものではないため、ろう付け前の前処理が必要とされています。
当社では支給された部品に特別な表面加工は行わず、脱脂したうえで次の工程へ進めています。

超硬リングをピンセットで一つずつセット
1ロット約100個あるため、位置を確認しながら順番にセットしていきます。
使用する超硬リングは外径φ6mm、内径φ3mm、長さ5mmと非常に小さいため、手で扱うのではなくピンセットを使って一つずつ母材へセットします。
ろう付けではフラックスを使用します。
金属表面には酸化皮膜が生じるため、そのままでは溶融したろう材が十分になじみにくくなることがあります。フラックスには酸化物を除去し、ろう材が母材へぬれやすい状態をつくる役割があります。
今回は「ハンディーフラックス 低温用」を使用しています。
セット完了したら開始!!
話し声は気にしないでください(笑)
まずは社長のお手本から!
続いては弟がやってみました。
小型部品だからこそ難しい加熱の見極め
今回のろう付けで特に注意しているのが、加熱しすぎないことです。
母材自体が人差し指の先ほどの小さな部品なので、炎を当て続けると短時間でも温度が上昇します。
温度を上げすぎれば母材を傷めたり、変形させたりする可能性があります。
一方で、十分に加熱されていなければ銀ろうが適切に回りません。
そのため、炎の当て方や加熱時間、部品の状態を見ながら、銀ろうが流れるタイミングを判断して施工します。
私自身はまだこのろう付け作業を担当していませんが、社長や経験のある作業者の施工を見ると、同じ設備・材料を使っていても作業速度に違いがあります。
炎の当て方、加熱する位置、温度の見極めなど、一つひとつの判断が積み重なって作業の速さと安定性につながっているのだと思います。
ロウ付け最終仕上がり
ロウ付けが終わった製品はこちらです。


ろう付け後は接合状態と銀ろうの回りを確認
ろう付けが完了したら、接合部の状態を確認します。
今回主に確認しているのは、超硬リングが適切に接合されているか、銀ろうが接合部へ回っているかという点です。
表面だけを見て「付いているから完成」と判断するのではなく、接合部へのろうの回り方も確認しながら100個を仕上げていきます。
超硬・異種金属のろう付け加工をご相談ください
有限会社アラヤでは、今回のような超硬部品のろう付けをはじめ、銀ろうを使用した各種ろう付け加工に対応しています。
材料や部品を支給いただき、ろう付け工程だけを外注したいというご相談も可能です。
「超硬部品を金属部品へ接合したい」
「100個程度の小ロットでろう付けをお願いしたい」
「異なる材質同士を接合できるか相談したい」
といった段階でも構いません。
図面、材質、接合したい部品の写真、数量、用途などが分かれば、対応可能か確認いたします。
「この組み合わせはろう付けできる?」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

