オーダーメイド作業台を製作|図面なし・用途に合わせた鉄製作業台

作業台の下に潜り込んで溶接

職人ごとに高さ・形状を変えたオーダーメイド作業台を製作

今回は、メーカー様の工場で使用するオーダーメイド作業台を3台製作した事例をご紹介します。

この作業台では、部品の組立やポンチ作業などの軽作業を行うほか、小型の機械を載せたり、大きめのバイスを固定したり、工具を置いたりと、さまざまな用途で使用されます。

市販の作業台では希望する高さや形状、強度などが合わなかったため、今回は鉄を溶接して一から製作することになりました。

さらに3台とも同じ形ではありません。

実際に使用する職人さんそれぞれの好みに合わせ、高さ・中棚の位置・形状まで少しずつ仕様を変えて製作しています。

「既製品ではちょうどいいものが見つからない」

そんなときに、必要な寸法や使い方に合わせて製作できるのがオーダーメイドの良さです。

今回製作したオーダーメイド作業台の仕様

項目内容
用途工場内での組立・ポンチ作業など
製作数量3台
材質SS400
フレームアングル材
天板鉄板
サイズ職人さんごとに異なる仕様
溶接方法CO2半自動溶接
溶接機Panasonic YD-350GR3
溶接ワイヤSE-50T φ0.9mm
シールドガスCO2
脚部アジャスター取付用ナットを溶接
塗装焼付塗装・外注
主な確認項目寸法・ガタつき・水平・外観

既製品では合わないためオーダーメイドで製作

今回のご依頼でポイントになったのが、既製品では希望する作業台が見つからないということでした。

工場で使う作業台といっても、使い方は人によって異なります。

今回も、

  • 部品を組み立てる
  • ポンチ作業をする
  • 小型機械を載せる
  • 大きめのバイスを固定する
  • 工具を置く

など、さまざまな使い方があります。

そのため、単純に「幅○mm、高さ○mmのテーブルを3台作る」という製作ではありませんでした。

3人の職人さんそれぞれに使いやすい高さがあり、中棚の位置や形にも違いがあります。

同じ工場で使う3台でも、それぞれ別仕様。

こうした細かな違いを反映できることも、オーダーメイド製作のメリットです

正式な製作図がなくても、寸法入りのポンチ絵から製作

今回、お客様からいただいたのは詳細な製作図面ではなく、必要な寸法を書き込んだポンチ絵と、作業台をどのように使用するかという情報でした。

当社で新たに正式な図面を作成したのではなく、そのポンチ絵に記載された寸法や形状、用途を確認しながら製作しています。

製作品によっては必ずしも詳細なCAD図面が必要とは限りません。

  • 必要な寸法
  • おおよその形状
  • 何に使うのか
  • 何を載せるのか
  • 数量

などが分かれば、簡単なスケッチから検討できる場合もあります。

正式な図面がなく、「こんなものを作りたい」という段階の場合も一度ご相談ください。

SS400のアングル材と鉄板で製作

今回の作業台は、SS400のアングル材をフレームに使用し、鉄板の天板を組み合わせて製作しています。

作業台には小型機械やバイスなどを載せることもあるため、製作時には特に強度とガタつきを意識しました。

なお、今回の案件では「耐荷重○kg」といった数値による指定はありませんでした。

耐荷重や特別な使用条件が求められる製品の場合は、載せるものの重量や使用方法などを事前に確認したうえで仕様を検討する必要があります。

まずはフレームを組み立てる

アングル材を加工し、作業台のフレームから組み立てていきます。

いきなり本溶接するのではなく、まず仮付けを行い、

  • 高さ
  • 対角
  • 直角
  • 各部の位置

などを確認します。

作業台は完成後にガタつきが出ないことも重要です。

そのため、本溶接へ進む前の段階で寸法や組立状態を確認しながら形を作っていきます。

半自動溶接では熱の入れ方と溶接順序にも注意

組立後はCO2半自動溶接で本溶接を行います。

今回使用した設備・溶接材料は、

  • 溶接機:Panasonic YD-350GR3
  • ワイヤ:SE-50T φ0.9mm
  • シールドガス:CO2

です。

フレームを溶接すると、溶接した部分に熱が入り、形状によっては歪みが発生します。

そのため、一方向に熱が集中しないよう、全体の状態を確認しながら溶接する位置や順番を考えて進めます。

「最初に寸法が合っていたから、そのまま最後まで寸法が合う」とは限りません。

仮付け時、本溶接中、溶接後と、各工程で確認しながら製作することが大切です。

関連記事:溶接歪みが発生する原因とは?種類・対策・歪みを抑える方法を解説

大型の作業台だからこそ取り回しも製作のポイント

今回の作業台は幅のある大型製品で、鉄のアングルと天板を組み合わせているため、組み上がるにつれて重量も増えていきます。

小さな製品であれば、簡単に向きを変えて一番溶接しやすい姿勢にすることができます。

しかし、大型で重量のある製品ではそう簡単にはいきません。

製品の姿勢や溶接する順番を考えながら作業し、場所によっては作業台の下側に入り込んで溶接することもあります。

作業台の下に潜り込んで溶接

完成品だけを見るとシンプルな作業台ですが、サイズが大きくなるほど組立・溶接・取り回しまで含めて考えながら製作する必要があります。

アジャスターを取り付けられる脚部も製作

工場の床は、必ずしも完全に水平とは限りません。

今回の作業台では、最終的にお客様側でアジャスターを取り付けられるよう、脚部にも加工を行っています。

アングルの脚部に穴をあけた鉄板を溶接し、さらにアジャスター取付用のナットを溶接しています。

これにより、お客様側でアジャスターを取り付け、設置時に高さを微調整できる構造にしました。

こうした部分も、既製品を購入するのではなく、用途に合わせて一から製作するからこそ変更できるポイントです。

3台それぞれ違う色で焼付塗装

製作が完了した作業台は、外注先で焼付塗装を行いました。

色についても3台すべて同じではなく、実際に使う職人さんに好みの色を選んでいただいています。

高さや中棚、形状だけではなく、色までそれぞれ違う作業台になりました。

実用品ではありますが、毎日使うものだからこそ、使う人が気に入った仕様にできることもオーダーメイドの良さだと思います。

完成後は寸法・ガタつき・水平・外観を確認

完成後は、

  • 指定寸法になっているか
  • ガタつきがないか
  • 水平に問題がないか
  • 溶接部を含めた外観に問題がないか

を確認します。

その後、当社でお客様の工場まで納品しました。

納品後に追加調整が必要になることもなく、無事に3台とも使用していただいています。

※写真は塗装前です。

オーダーメイドだから「使う人ごと」に変えられる

今回特に印象的だったのは、同じ工場で使う作業台でも、3人の職人さんで欲しい形がそれぞれ違ったことです。

高さが違う。

中棚の位置が違う。

形も少し違う。

色も違う。

既製品の作業台を購入する場合は、製品側の仕様に人が合わせることになります。

オーダーメイドの場合は反対に、使う人や現場に合わせて製品側を変えることができます。

「こういう高さが使いやすい」

「この位置に棚が欲しい」

「ここにバイスを固定したい」

といった現場の要望を形にできるのは、鉄製品を一から製作する町工場ならではの仕事だと思います。

作業台以外のオーダーメイド製作にも対応しています

有限会社アラヤでは、作業台だけでなく、

  • 架台
  • 機械フレーム
  • 現場に合わせた治具
  • 台車
  • ブラケット
  • 一点物
  • 数個程度の小ロット品

などの製作もご相談いただけます。

正式な製作図面がなくても、必要な寸法が書かれたスケッチなどから製作できる場合があります。

関連記事:図面なしでも製作可能|手書きスケッチと支給鉄筋からオーダーメイド製作

関連記事:溶接機の台車を製作|現場の使い勝手に合わせたオーダーメイド製作


既製品では合わない作業台・架台・フレームをご相談ください

「既製品を探したけれど、ちょうどいいサイズがない」

「使う人に合わせて高さを変えたい」

「機械やバイスを載せるので、鉄でしっかりしたものを作りたい」

「正式な図面はなく、簡単なポンチ絵しかない」

「1台だけ、数台だけ製作してほしい」

このような場合も、一度ご相談ください。

有限会社アラヤでは、作業台・架台・機械フレーム・治具など、鉄を使った一点物や小ロットのオーダーメイド製作に対応しています。

お問い合わせの際に、

  • 簡単なスケッチや図面
  • 希望する幅・奥行・高さ
  • 何を載せるのか
  • どのような作業に使うのか
  • 数量
  • 希望納期

などをお知らせいただけると、より具体的に検討できます。

「こんなものが欲しいけど、作れる?」という段階からでもお気軽にご相談ください。

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