鉄製本棚をオーダーメイド製作|角パイプと丸棒で作った3段ラック

鉄製本棚をオーダーメイド製作|手書きスケッチから3段ラックを製作
今回は、自社事務所で使用する鉄製本棚を製作した事例をご紹介します。
以前から事務所で使用していた木製の本棚が壊れてしまい、新しい棚が必要になりました。
そこで、既製品へ買い替えるのではなく、
「せっかくなら自分たちで作ってみよう」
ということで、設置スペースと収納するA4ファイルに合わせて鉄製本棚を製作しました。
まず必要な寸法を測り、簡単な手書きスケッチを作成。
そのスケッチをもとに、20mm角パイプ・t1.6mmの鉄板・φ8mmの丸棒を組み合わせ、TIG溶接で3段のラックを製作しています。
現在も実際に事務所でA4ファイルの収納棚として使用しています。
今回製作した鉄製本棚の仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品 | 鉄製本棚・3段ラック |
| 使用場所 | 自社事務所 |
| 全体寸法 | W350×D350×H1100mm |
| 1段の高さ | 約360mm |
| 用途 | A4ファイル・書類収納 |
| 材質 | 鉄 |
| 外枠 | 20mm角パイプ・t1.6mm程度 |
| 棚板 | 鉄板 t1.6mm |
| 丸棒 | φ8mm |
| 丸棒本数 | 1段につき3本 |
| 背面 | φ8mm丸棒 |
| 棚板 | フレームへ溶接固定 |
| 設計 | 手書きスケッチ |
| 棚板切断 | 自社でプラズマ切断 |
| 溶接方法 | TIG溶接 |
| 溶接機 | DAIHEN インバータアルゴ300P |
| 塗装 | 協力会社にて黒色塗装 |
| 脚 | アジャスター付き |
| 壁固定 | なし |
| 耐荷重計算 | 実施なし |
| 現在の状態 | 自社事務所で使用中 |
以前使っていた木製本棚が壊れたことがきっかけ
事務所では以前、木製の本棚を使用していました。
A4ファイルや書類を収納して長く使用していましたが、棚板が落ちて使えない状態になってしまいました。

そこで、新しい本棚を購入することも考えましたが、今回は自社で製作することにしました。
必要だった条件はシンプルです。
- A4ファイルを縦に収納できる
- 3段にする
- 設置スペースに収める
- できるだけシンプルな構造にする
まず、この条件から本棚の寸法を決めていきました。
設置スペースに合わせてW350×D350×H1100mmに設定
本棚の全体寸法は、
W350×D350×H1100mm
です。
横幅と奥行きは事務所の設置スペースに合わせ、できるだけスペースを有効に使える寸法にしました。
また、A4ファイルを縦に入れられるよう、1段あたりの高さは約360mmとしています。
既製品の場合、
「あと50mm小さければ入るのに」
「棚の高さがもう少し欲しい」
ということがあります。
一方、オーダーメイド製作なら、置く場所と収納するものから必要寸法を決められるのがメリットです。
正式なCAD図面ではなく手書きスケッチから製作
今回の本棚について、CADで正式な製作図面を作ったわけではありません。
必要な寸法と構造を考え、簡単な手書きスケッチを作ってから製作しました。
今回のような比較的シンプルな鉄製ラックであれば、
- 全体寸法
- 棚の高さ
- 使用する材料
- 何を載せるのか
- おおよその形
が分かるスケッチから製作できる場合があります。
ただし、当社では製品デザインや専門的な設計業務を専門としているわけではありません。
そのため、オーダーメイド品をご相談いただく場合は、簡単な手書きスケッチや希望寸法、参考写真などをご用意いただけると製作を進めやすくなります。
外枠には20mm角パイプを使用
本棚の外枠には、20mm角の角パイプを使用しました。
構造はできるだけシンプルにしています。
基本となる外枠を角パイプで組み、その中へ棚板とφ8mmの丸棒を配置しています。
今回の目的は、見た目を複雑にすることではなく、
A4ファイルを収納でき、事務所の限られたスペースへ収まる本棚を作ること。
そのため、必要な部材を組み合わせたシンプルな構造としました。
歪みを確認しながら形にしていきました。
棚板にはt1.6mmの鉄板を使用
棚板には板厚1.6mmの鉄板を使用しています。
今回は新しくレーザー加工品などを注文したのではなく、工場に残っていた板材を活用しました。
まず必要寸法を測り、プラズマで切断しています。
切断した棚板はフレームへ溶接して固定します。
8mmの丸棒を1段につき3本配置
今回の本棚で特徴的なのがφ8mmの丸棒です。
各段に3本ずつ配置しました。
丸棒には、
- 棚部分を支える
- フレームを構成する
- ファイルが落ちにくくする
- 見た目をシンプルにまとめる
といった役割があります。
また、背面にもφ8mm丸棒を入れています。
鉄板だけで全体を覆うのではなく丸棒を組み合わせることで、鉄製家具らしい軽さのある見た目にしています。
組立では直角と歪みを確認
材料がそろったらTIG溶接で組み立てます。
まず外枠を組み、その後に棚部分や丸棒を取り付けました。
今回のようなラック製作では、特に注意するのが直角と溶接による歪みです。
一か所ずつ何も確認せずに溶接していくと、熱によってフレームが引っ張られ、
- 枠が平行四辺形になる
- 脚の位置がずれる
- 棚の高さが左右で変わる
- 完成後にガタつく
といったことにつながります。
そこで、まず仮付けを行い、寸法や対角を確認します。
その後、本溶接による変形を確認しながら溶接順序を考えて組み立てました。
丸棒は1本ずつスケールで位置を確認
今回のようなシンプルなデザインでは、部材の位置がずれると意外と目立ちます。
そこで、φ8mm丸棒を取り付ける際も目分量では決めていません。
1本ずつスケールを使って位置を測り、左右の寸法を確認しながら取り付けました。
【写真:丸棒を取り付けた状態】
ほんの数mmの違いでも、3本並んだときにはズレが分かりやすくなります。
そのため、
測る → 仮付け → もう一度確認 → 溶接
という流れで進めています。
TIG溶接で組み立て
今回の本棚はTIG溶接で製作しています。
使用した溶接機は、
DAIHEN インバータアルゴ300P
です。
【写真:溶接中または塗装前】
20mm角パイプやφ8mm丸棒など、比較的小さな部材を組み合わせる製品なので、今回はTIG溶接を使用しました。
また、塗装後の見た目も考えながら必要な箇所を溶接しています。
塗装前に必要な溶接ビードを仕上げ
溶接が完了したら、そのまま塗装へ出すのではなく、外観上必要な部分を仕上げました。
今回のTIG溶接では半自動溶接のようなスパッタはほとんど発生していないため、スパッタ除去作業ではありません。
一方で、完成時の見た目を整えるため、必要な部分の溶接ビードを削って仕上げています。


この状態で寸法やガタつきなどを確認した後、協力会社へ塗装を依頼しました
協力会社で黒色塗装
仕上げの塗装は、いつもお願いしている協力会社へ依頼しました。
色は黒です。
鉄の素地の状態と比較すると、黒色に仕上がることで全体が引き締まり、事務所にも置きやすい見た目になりました。


脚にはアジャスターを取り付け
本棚の脚にはアジャスターを取り付けています。
鉄製ラックを床へ直接置く場合、床の状態によってはわずかなガタつきが出ることがあります。
そこでアジャスターを取り付け、設置時に高さを調整できるようにしました。
壁への固定は行っていません。
完成後は、
- 全体寸法
- 直角
- 棚の位置
- ガタつき
- 外観
- A4ファイルが収納できるか
などを確認しています。
現在も事務所で実際に使用しています
完成した本棚は、現在も自社事務所で使用しています。
A4ファイルや書類を収納して使っていますが、現在の用途では問題なく使用できています。
自社で実際に使ってみることで、
「この寸法ならA4ファイルがきちんと入る」
「設置スペースいっぱいまで使える」
という、製作時に考えた狙いも確認できました。
既製品ではサイズが合わない鉄製ラックも製作できます
今回の本棚は自社用ですが、製作方法そのものはさまざまなオーダーメイド品に応用できます。
例えば、
- 工場用ラック
- 部品棚
- 材料棚
- オフィス用ラック
- 店舗什器
- 作業台
- 機械周辺の棚
- 特殊寸法の鉄製ラック
などです。
特に、
「既製品だと幅が合わない」
「このスペースへ収まる棚が欲しい」
「1台だけ作ってほしい」
といった案件は、オーダーメイド製作と相性があります。
また、今回のように正式なCAD図面がなくても、寸法の入った簡単な手書きスケッチなどがあれば製作を検討できる場合があります。
鉄製ラック・棚のオーダーメイド製作をご相談ください
有限会社アラヤでは、鉄製のラック・棚・什器などのオーダーメイド製作をご相談いただけます。
特に、
- 既製品ではサイズが合わない
- 設置スペースが限られている
- 特殊な寸法で作ってほしい
- 1台だけ必要
- 数台程度の小ロットで製作したい
- 簡単なスケッチから作ってほしい
といった案件をご相談ください。
お問い合わせの際は、
- 手書きスケッチまたは図面
- W×D×Hなどの希望寸法
- 何を載せるのか
- 希望する棚数
- 必要数量
- 設置場所
- 希望する塗装
- 希望納期
などを分かる範囲でお知らせください。
当社は家具のデザイン会社ではないため、ゼロから意匠デザインや専門的な設計を行うことを前提とはしていません。
一方で、
「こんな形で、この寸法のラックを作ってほしい」
という簡単なスケッチがあれば、材料や加工方法を確認して製作できる場合があります。
一般のお客様からの本棚・鉄製家具についても、内容と費用をご確認いただき、金額が合えば対応可能です。
「このスペースに入る鉄製ラックを1台作れますか?」という段階からご相談ください。

