建設機械用ホッパーの溶接事例|口金・脚部取付から漏れ確認まで

ホッパー溶接後、仕上げ後

建設機械用ホッパーの溶接事例|口金・脚部取付から漏れ確認まで

今回は、建設機械用ホッパーへ口金部品と脚部を溶接した事例をご紹介します。

このホッパーは建設機械に使用され、内部にはコンクリートが流れます。

ホッパー本体はお客様から支給され、当社では、

  • 口金部品を取り付けるための穴加工
  • 口金部品の位置合わせ
  • 半自動溶接
  • アングルで組まれた脚部の取付
  • 溶接部の仕上げ
  • 完成後の漏れ確認

などを担当しています。

一見すると「穴をあけて部品を溶接する」というシンプルな加工に見えますが、今回の製品では口金の角度や位置合わせ、コンクリートが流れる部分の段差、溶接部からの漏れなどを確認しながら作業する必要があります。

当社では、この製品を約30年にわたり継続して製作しています。

今回の建設機械用ホッパーの仕様

項目内容
用途建設機械用ホッパー
流れるものコンクリート
ホッパー本体客先支給品
本体材質SS400
本体板厚1.6mm
本体サイズ大きいタイプで直径約800mm・高さ約600mm
製作数量10台/ロット
取付部品口金部品・アングル脚部
口金50A配管+50A→65A溶接用レジューサ等
穴加工現物ケガキ+プラズマ切断
溶接方法CO2半自動溶接
溶接機Panasonic YD-350GR3
溶接ワイヤSE-50T φ0.9mm
シールドガスCO2
主な確認寸法・角度・外観・漏れ
漏れ確認完成したホッパーに水を張って確認

前工程で製作した口金部品を使用

今回取り付ける口金部品は、別工程で製作しています。

50Aの配管、溶接用レジューサなどを組み合わせ、ガス溶断・開先加工・半自動溶接を行った部品です。

その製作工程については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

建設機械用ホッパー口金の製作|ガス溶断から半自動溶接まで

この口金部品を、支給されたホッパー本体へ取り付けていきます。


ホッパー本体に口金形状を現物合わせでケガキ

まず、口金を取り付ける位置に実際の部品を合わせ、切断位置をケガキます。

今回のホッパー本体と、当社で製作した口金部品はそれぞれ別工程で作られているため、実際の部品同士を合わせながら位置や形状を確認する方が確実です。

図面上の寸法だけで穴を加工するのではなく、実際の部品を当て、

  • 取付位置
  • 口金の向き
  • 角度
  • ホッパー本体との当たり

などを見ながら切断位置を決めていきます。

ケガキに沿ってプラズマで穴を切断

ケガキが終わったら、ホッパー本体をプラズマで切断します。

プラズマ切断は、電気を通す金属を高温のプラズマアークで溶融し、高速のガス流で吹き飛ばしながら切断する方法です。

今回のようにホッパー本体へ口金を取り付ける場合、単純な丸穴をあければ完成というわけではありません。

実際の口金形状に合わせながら加工します。

切断後はパイプ形状に沿うように調整

プラズマ切断後は、切断した部分をそのままにせず、口金の外周へ沿うように形状を調整します。

今回の記事にあるように、切断部をハンマーで少し曲げながら、実際の口金との当たりを確認していきます。

こうした現物合わせの工程は、数値だけでは判断しにくい部分があります。

少しずつ状態を確認しながら合わせていくため、派手な工程ではありませんが、経験が必要になる部分の一つです。

口金の取付では「角度」を特に確認

穴加工ができたら、口金部品を仮付けします。

今回の取付で特に重要なのが、口金の角度です。

仮付けした段階で、

  • 口金の位置
  • 角度
  • パイプの通り
  • ホッパー本体との合わせ

を確認してから本溶接へ進みます。

本溶接してから位置や角度の間違いが分かると、一度溶接部を除去してやり直さなければならず、大きな手戻りになります。

そのため、溶接前の確認をしっかり行うことが重要です。

ホッパー口金部分、仮溶接

なぜパイプの通りや段差を確認するのか

今回のホッパー内部にはコンクリートが流れます。

口金の位置や角度がずれると、接続部分に不要な段差ができる可能性があります。

流路に大きな段差ができれば、コンクリートの流れを妨げたり、詰まりの原因になる可能性があります。

そのため、単に「部品が付いている」だけではなく、実際に何が流れる製品なのかを考えながら位置と角度を確認しています。

これは今回のホッパーに限らず、製缶品を製作するときに大切にしている考え方です。

図面どおりの寸法にすることはもちろんですが、最終的にその製品がどのように使われるのかを理解することで、確認すべきポイントも変わります。


CO2半自動溶接で口金を本溶接

位置と角度を確認したら本溶接を行います。

今回使用している設備・溶接材料は、

  • 溶接機:Panasonic YD-350GR3
  • ワイヤ:SE-50T φ0.9mm
  • シールドガス:CO2

です。

ホッパー本体そのものの製作溶接はお客様側で行われていますが、当社ではホッパー本体と口金部品、本体とアングル脚部の溶接を担当しています。

今回の溶接で特に確認していること

今回の製品では、特に次の点を確認しています。

1.漏れ

内部にコンクリートが流れる製品なので、溶接部から漏れが発生しないことが重要です。

外観だけできれいに見えていても、完成後に漏れがあれば製品として問題になります。

そのため、完成後には実際に水を使った確認を行います。

2.外観

溶接ビードの状態や溶接部周辺を確認し、外観上問題がないかチェックします。

必要な部分は最終仕上げも行います。

3.位置・角度

溶接後も、口金が意図した位置・角度になっているか確認します。

特に今回の製品では、コンクリートが流れる方向に関わるため、取付角度は重要な確認項目です。

溶接後はサンダーで外観を整える

本溶接が完了したら、必要な部分をサンダーで軽く仕上げます。

目的は溶接そのものを削り落とすことではなく、製品として外観を整えることです。

このように溶接した部分を軽くサンダーで整え、完成です。

あとは水漏れしないかチェックして問題なければ納品です。

完璧に溶接したつもりでも水が漏れてしまうことはどうしてもあるので、必ず確認です。

アングルで組まれた脚部もホッパー本体へ溶接

今回の仕事では、口金部品だけではなく、アングルで組まれた脚部の取付溶接も行っています。

ホッパー本体へ脚部を取り付け、全体の位置や状態を確認しながら溶接します。

大型の製缶品では、単品部品だけを見るのではなく、完成した製品全体で寸法や姿勢を確認することが大切です。

最後はホッパーに水を張って漏れ確認

溶接と仕上げが完了したら、最終的な漏れ確認を行います。

完成したホッパー内部に実際に水を張り、溶接部から漏れがないか確認します。

目視で問題がないように見えていても、実際に水を入れると小さな漏れが見つかる場合があります。

漏れが確認された場合は、その箇所を再度補修溶接し、もう一度水を張って確認します。

漏れがなくなるまで確認し、問題がないことを確認してから納品します。

約30年継続して製作している定期品

このホッパーは、当社で約30年にわたって継続して関わらせていただいている製品です。

現在も基本10台ロットでご注文いただいています。

長く継続してご依頼いただけているからこそ、毎回同じように作ればよいとは考えていません。

口金の位置や角度、溶接部の状態、漏れなど、確認すべきポイントを一つずつ確認しながら製作しています。

長年製作している製品であっても、慣れだけに頼らず、毎回確認することを大切にしています。

建設機械・産業機械向けの製缶溶接にも対応しています

有限会社アラヤでは、今回のような建設機械用ホッパーのほか、

  • ホッパー
  • タンク
  • シュート
  • 架台
  • 機械フレーム
  • 配管付き製缶品
  • 建設機械部品
  • 産業機械部品

などの製缶・溶接加工にも対応しています。

材料の切断、部品製作、組立、溶接まで一式で対応できる案件もあります。

単品だけでなく、数台~10台程度の小ロット製作についてもご相談ください。


ホッパー・製缶品の溶接についてご相談ください

「ホッパーへ配管や口金を取り付けてほしい」

「支給した製缶品へ部品を溶接してほしい」

「切断から組立、溶接までまとめてお願いしたい」

「10台程度の小ロット製品をお願いしたい」

「漏れが発生しないよう溶接してほしい」

といったご相談も承っています。

お問い合わせの際は、

  • 図面
  • 材質
  • 板厚
  • 製品寸法
  • 数量
  • 使用用途
  • 支給部品の有無
  • 希望納期

などをお知らせいただければ、より具体的に検討できます。

「この製缶品を溶接できる?」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。

建設機械・製缶溶接について相談する